HOME > コンテンツ一覧 > 名古屋市制定の案内用図記号(ピクトグラム・ロゴマーク)集

名古屋市制定の案内用図記号集

初稿 2024年1月27日
最終更新 2024年2月26日

 1989(平成元)年。世界デザイン博覧会に湧く名古屋市では街中の市管理物件がリニューアルされ、現在に繋がる洗練されたデザインへ変貌を遂げていました。交通局では新デザインの地下鉄出口やバス停留所(通称F形)の整備、基幹バスを除く市バス全車両ブルーライン化、さらには「名古屋市交通局旅客サインマニュアル」を制定し駅・BTのサインを一新しています。現在の名古屋市交通局が持つ印象やデザインは、この辺りが源流となっています。
 表記を始めとするデザインを一新・制定したのは交通局だけではありません。市内どこにでもある"緑色の看板"や名所旧跡を示す道路看板等を整備している名古屋市計画局では「名古屋市歩行者系サインマニュアル」を制定し街中のサインを一新・統一、住宅都市局となった現在まで改定を重ねながら利用されています。
 これらのサインマニュアルには「方向性」「文字の書体や寸法・表記・グラフィック・エレメント」「種別の詳細」などといったサインのシステム化に重要な決まりが制定されていて、これらを守れば本庁の職員でも委託業者でも誰でもサインを作成できるものとなっています。使用する案内用図記号(ピクトグラム・ロゴマーク)についても指定されており、JIS規格等に基づくトイレ等のピクトグラムだけでなく、交通局では路線マーク、計画局では主要施設・名所旧跡のピクトグラムを制定しています。これがまた、愛を感じるユニークで美しい図記号なのです。当ページでは、そんな名古屋市の愛おしい案内用図記号と使用例を可能な限り紹介します。

 ところで、デ博に併せて昭和63~平成元年に制定された市のサインマニュアルの中でも「文字の書体」については(大きく表記するところでは)交通局・計画局ともに「ゴナ長体・Helvetica」を指定していました。名古屋市は21世紀に入ってようやく「ゴナの街」となったのです。都市の規模の割に'20年代でもゴナが沢山ある街・名古屋は、JR東海だけでなく名古屋市の功罪かもしれません。

【備考】以下に紹介する図記号は、基本的に街中で使用されているものを撮影したものです。ただし、用途廃止から年月が経ち使用例を見つけることの難しい、次の米印が書かれているものは資料からの引用となります。

※1=名古屋市歩行者系サインマニュアル 1989年, 名古屋市計画局
※2=名古屋市歩行者系サインマニュアル改訂版 1995年, 名古屋市計画局
※3=名古屋市歩行者系サインマニュアル第3次改訂版 2002年, 名古屋市住宅都市局


 また、計画局・住宅都市局のサインマニュアルには、案内用図記号を新規に作図するためのガイドが定められています。これはサインマニュアルを次世代へ引き継いでいくにあたって後継者でも作図できるよう残されているものかと思われますが、ガイドとして非常に優秀なものになっているので、独自に作図してみるのも楽しいかもしれません。